いつかが来るその日までBlog

いつかが来る日まで日々瞑想している女子大生です。

流星の詩と共に想いはめぐる の話

 

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現在発売中のHey!Say!JUMP7枚目のアルバムSENSE or LOVEに収録されている薮宏太くんのソロ曲「流星の詩」。

 

私の祖母が、この歌を聴いて「いい声。お爺ちゃんと聴きたかった。」とポロっと言ったことが、今回このブログを久しぶりに書こうと思ったきっかけとなった。

 

私の祖父は、2年前の七夕の日に亡くなった。

没年、88歳。「何が何でも米寿までは生きる」という宣言通り、「春までもたないかもしれません」というお医者様の宣告もポーンと飛び越え、しっかり米寿のお祝いもして丁度七夕の日にひっそりと息を引き取った。

 

何とも面白いファンキーなお爺さんだった。

お爺さんの割には背が高く足が長く、出かける時にはハットを被ったりスーツのハンカチーフにこだわったりするお洒落さんで、物知りで、喋りが上手く、部屋で突然倒れて病院に搬送され、集中治療室に入り「危険な状態です」と説明を受けもしかしたら…と覚悟してたこっちに対して、か細い死にかけの声で「俺は看護師さんにモテる」などと言ってくるお茶目なお爺さん。

 

そしてそんなお茶目なお爺ちゃんを「しょうもない人なんだから!」とクククッと笑いながら楽しそうに横で見守っていたのが、私と顔がそっくり過ぎるちょっぴりころんとした体型のお婆ちゃん。

 

歌と散歩が大好きで、合唱サークルに入り毎回家に遊びに行くたびに新しく習った歌を歌いながら出迎えてくれるこれまた愉快なお婆さん。

 

お爺ちゃんが初めて倒れた時も、「死にはしないから大丈夫よ、振袖見るまでは何が何でも生きるからこの人」とほとんど動じず、「俺は看護師さんにモテる」と死にかけのお爺ちゃんが言った時も「それは何より。いい子に寝てなさい」と少し手を握ったくらいでその後はワーワー泣いていた私と一緒に居てくれた。

 

最期の時も同じだった。

 

日付が変わって七夕になり暫くしてから家に病院から電話があり、「容体が急変しました」と言われて慌てて着の身着のままタクシーに家族で飛び乗り病院へ向かったが、あと少し間に合わなかった。

 

受け入れられず、泣きじゃくる私を抱きしめながら泣く母と父を、その上から抱きしめて「お爺さんたくさん頑張ったの、こんなに泣いてくれて幸せだね」と言ったお婆ちゃんは、穏やかな顔をしていたのが今も頭に残っている。

 

遺骨は祖父本人の意思で海にまいた。

あっという間に海に溶けて消えていく祖父の遺骨を見て、少しだけ祖母が悲しそうにしていた。

でも、祖母の悲しそうな、寂しそうな声を聞いたのはそれきり無かった。

 

そんな祖母に母と2人で会いに行った時にたまたまHey!Say!JUMPの話になった。

今週末宮城にコンサートに行ってくるんだ、あああの子達だよねHey!Say!JUMPさんだっけ、そうそうチケットがそこしか当たらなかったんだ、ジャニーズの子はタッキーさんしか分からないけどその子達はゆきんこちゃんが好きだから覚えてるわ、という会話をしていた。

その流れで、昔からやぶひか推しの母親が「私の大好きな薮くんのソロの曲が凄く素敵なの!今日も2人でカラオケに行った時にゆきんこが歌ってたんだけどね、歌詞がいいのよ〜!」と言ったのが始まりだった。

 

その後その話は流れ流れていき結局私は帰宅する時間になり、祖母宅へ泊まる母を置いて私は帰宅した。

父親とお婆ちゃん元気だった?元気すぎてビックリするくらいだよ、三駅歩いたらしいよなどと会話をしていた時、母親から電話があった。

 

「もしもし、今ね、お母さんに流星の詩を聴かせてもらったの。そしたらゆきんこちゃんに感想伝えたくなっちゃって。」

 

祖母の声だった。いつも80代のわりには高めの声でうふふふ!とハイテンションな可愛らしいお婆ちゃんだが、何と涙声だったから驚いた。

 

「いい声。お爺さんと聴きたかった。」

 

久しぶりに、祖母の口からお爺さん、という言葉を聞いた。

亡くなってから2年。最初は何処と無く寂しそうだったが持ち前のコミュ力で友達たくさんのパワフルお婆ちゃんは、もう何年も前に祖父が亡くなっていたかのように明るく元気だった。

そんな祖母が、「久しぶりにちゃんと誰かの歌を聞いたけど、素敵な声。歌詞も素敵ね。」と声を少し震わしている。

 

そんな祖母の声を聞いて、なんだか私も泣いてしまった。泣いてしまったというか、爆泣きしてしまった。

まだ、まだ2年しか経ってない。2年しか経っていないんだ。

大学生になり色んな知識も深まった。そんな今こそ、もっと話したいことが沢山あった。時間が自由に使えるようになった今こそ、会いたかった。たくさん話していたかった。

でももう話せない。会えない。ふとした瞬間に思い出しては悲しくなる。

 

多分、これからもずっと何年経っても。

色々な瞬間に、思い出しては会いたくなるのだ。

 

「会いたいよねぇ、化けて出てきてくれないかな」と話す私に、「本当だねぇ、お化けー!って叩いちゃうかもしれないけどねぇ」と笑って祖母は返してくれた。

 

「久しぶりにお爺ちゃんのことお婆ちゃんと話してる」「アルバム見てるんだけど凄く楽しそう、勿論BGMは流星の詩」と母から聞いて、改めてこの流星の詩を聴かせて良かったなぁとぼんやり思った。

 

 

お爺ちゃん元気かい。もうとっくに転生して超美少年になったりしてるかい。

お婆ちゃんはめちゃめちゃ元気ですよ。相変わらず。この前三駅分歩いて疲れたって話してました。そりゃ疲れるがな。

 

ちょっと報告なんですけど、お婆ちゃん新しく好きな人が出来るかもしれません。

薮宏太くんって人です。ジャニーズの。

お爺ちゃんと同じで背が高くて足がめちゃめちゃ長い人です。あと歌がすこぶる上手い。

良いよねちょっとくらい。それで長生きするなら良いでしょ。

 

私は多分あと60年以上は会うことは無いと思いますので、また会う日まで。

お婆ちゃんは私にお任せあれ!

 

 

 

お粗末さまでした。